デイサービスってどんなサービス?
通所介護(デイサービス)とは、自宅などで生活している要介護者が、日帰りでデイサービスセンターなどの施設に通い、入浴や機能訓練を受けることができる介護保険サービスのことです。厚生労働省の「令和3年度介護給付費等実態統計の概況(令和3年5月審査分~令和4年4月審査分)」によると、在宅で介護保険サービスを利用している人の中で、デイサービスは最も利用頻度の高い人気のサービスであることが分かります。
今回はそんなデイサービスの種類や特徴、一日のながれや選ぶ際のチェックポイントについて、詳しく説明します。
デイサービスとは
通所介護(デイサービス)は、要介護者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的としたサービスです。
要介護者がデイサービスセンターなどに通い、施設内にて食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供します。生活機能向上グループ活動などの高齢者同士の交流もあり、要介護者の自宅から施設までの送迎も行っています。
デイサービスの種類
①デイサービス(通所介護)
サービス内容や利用時間などはサービス提供事業者によって異なりますが、1日の利用定員は19名以上と決められています。デイサービスの中には「リハビリ特化型」「機能訓練特化型」「介護予防特化型」など、何かに特化したデイサービスもあります。また、介護保険制度外の宿泊サービスである『お泊りデイサービス』を提供している事業所もあります。
デイサービスの対象者
○要介護1~5の認定を受けている方
○要支援1・2の方、介護予防・生活支援サービス事業対象者の方は、市区町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業の介護予防・生活支援サービス事業の通所型サービスを利用することができます
デイサービスの利用定員
19名以上
お泊まりデイサービスとは
お泊まりデイサービスとは、通所介護ができる施設で日中の介護サービスを受けたあと、そのままその施設に宿泊することができるサービスのことです。普段から関わりのある職員や慣れ親しんだ施設での宿泊になるため、本人や家族が安心して利用することができます。ただ、ショートステイと違って介護保険適用外のサービスになるため、全額自己負担になるので注意が必要です。
②地域密着型デイサービス(地域密着型通所介護)
住み慣れた地域で自分らしく暮らすための域密着型サービスのひとつであることから、原則として事業所がある市区町村に居住している要介護者が利用することができます。定員も18名以下と、比較的小規模のデイサービスです。
地域密着型デイサービスの対象者
○要介護1~5の認定を受けている方
○事業所がある市区町村に居住している方
地域密着型デイサービスの利用定員
18名以下
③認知症対応型デイサービス(認知症対応型通所介護)
地域密着型デイサービスと同様に地域密着型サービスのひとつであるため、原則として事業所がある市区町村に居住している要介護者で、かつ認知症と診断をうけた方が利用できます。少人数制で人員配置も手厚く、家庭的な環境の中で専門的な認知症ケアを受けることができるのが特徴です。
認知症対応型デイサービスの対象者
○要介護1~5の認定を受けている方
○認知症の診断を受けた方
○事業所がある市区町村に居住している方
○ 要支援1・2の方は「介護予防認知症対応型通所介護」が利用できます
認知症対応型デイサービスの利用定員
○単独型・併設型:
単位ごとに12名以下
○共用型:
グループホーム(認知症対応型共同生活介護事業所)はユニットごとに1日当たり3名以下、地域密着型特定施設等は施設ごとに1日当たり3名以下
療養通所介護
地域密着型サービスのひとつであるため、原則として事業所がある市区町村に居住している方で、難病等の重度要介護者やがん末期患者で看護師による観察が必要な方を対象としたデイサービスです。
療養通所介護の対象者
○要介護1~5の認定を受けている方
○事業所がある市区町村に居住している方
○看護師による観察が必要な方
療養通所介護の利用定員
18名以下
デイサービスの一日のながれ
実際のサービス内容等は施設によってことなりますが、一般的なデイサービスの一日の過ごし方の例をご紹介します
時間 | サービス内容 |
8:45
9:30
10:00
11:30
12:00
13:30
15:00
15:30
17:00 |
自宅までお迎え
看護師による体温等の健康状態のチェック
入浴
嚥下体操などの機能訓練
昼食
施設全体によるレクリエーション
おやつ
各自好きなレクリエーションをして過ごす
自宅までお送り |
デイサービスを選ぶときのチェックポイント
①営業日・営業時間
デイサービスの営業日や営業時間は、サービス提供事業所によって異なります。事業所によっては365日休まず営業をしている事業所や、午前・午後どちらかのみ営業という事業所もあります。自分が利用したい曜日や時間帯に営業しているのかどうかを確認してみましょう。
②事業所(定員)の規模
デイサービスの定員は、サービス提供事業所によって異なり、少人数制、小規模、通常規模、大規模と様々です。利用する本人がどの程度の人数なら心地よく過ごせるのかを考え、それに適した規模の事業所を選ぶと良いでしょう。
③送迎の時間や方法
デイサービスの中には、ごく少数ですが送迎を行っていない事業所もあるので、必ず送迎の有無を確認しましょう。また、送迎のある場合にも、何時に迎えがあって何時に帰宅するのか、玄関先まで送迎してくれるのか、介護員も添乗するのか等を確認しましょう。週に何度も通うデイサービスになるので、無理のない送迎方法であることが大切です。
④職員の対応・雰囲気
「利用している人の表情は明るいか」「施設の雰囲気は良いか」「職員の対応や言葉遣いに交換が持てるか」なども重要なチェックポイントです。体験利用や見学などで、実際に確認してから利用することをおすすめします。ホームページを開設している施設も多いので、チェックしてみるのも良いですね。
⑤レクリエーション等のプログラムは充実しているか
近年、多様なニーズに対応して様々なプログラムを用意しているデイサービスが増えています。サービス提供事業所によって内容が異なるので「本人の好きそうなプログラムはあるのか」「全体だけでなく個別プログラムは用意されているのか」「プログラムを自由に選ぶことができるのか」等をあらかじめ確認しておきましょう。
⑥利用料金
介護保険が適応されるデイサービスの利用料は要介護度ごとに決められていますが、利用料の他にも食費やおむつ代、レクリエーションの材料費などを実費で負担する必要があります。また、帰りにお弁当(夕食分)を持たせてくれる等の介護保険適用外の自費によるサービスを提供している事業所等も年々増えてきています。一日当たりの利用料金がトータルいくらになるのかはサービス提供事業所によって異なりますので、必ず確認しておきましょう。
⑦設備・体制
職員体制や緊急時の医療との連携、最近であれば新型コロナウイルス感染症対策についても確認しておくと安心です。デイルームにいる見守りの職員の配置は適切か、清掃がきちんと行き届いているかなど、体験利用や見学の際に実際に見ておくと良いでしょう。
⑧食事・入浴設備
食事の内容や味も、事前にしっかりと確認しておきましょう。デイサービスを利用する中で、食事やおやつを楽しみにしている方はとても多いです。施設によって素材にこだわりがあったり、できるだけ手作りのものを提供しているなど様々なので、体験利用で一度味わっておくことをおすすめします。
おわりに
介護保険サービスの中でも特に人気のデイサービスですが、内容についてはサービス提供事業所によって様々です。食事にこだわるところ、リハビリに特化しているところ、認知症ケアが充実しているところなど、たくさんの選択肢がありますので、事前にしっかりと情報収集をし、実際に体験することをおすすめします。
要介護認定を受けたら、本人の生きがいづくりや家族の負担軽減のためにも、ぜひ一度利用を検討してみてください。